2019年の結婚記念日は、私たちの20年目の記念日だった。
年末で、いつも会社の飲み会とかぶってしまうので、夜にお茶するくらいしかできなかったけれど、今回は土曜日だった。
今年は一緒に晩ごはんを食べられる。何を作ろう、何か作ってくれるかな、どこか食べに行くかな。
この記念日に、仕切りなおせるかもしれないと、どこかで思っていた。
2019年、2月に夫が復職してから、私たちはどんどんうまくいかなくなった。
休職中から、夫は副業をしたがっていた。
けれど、どの話もいわゆる「うまい話」ばかりで、夫は本当に騙されやすかったし、しかもあまり頭が回らないからと私をいつも頼った。
副業なんてできるわけがなかった。自分で物事を判断できないのに、不労所得なんて得られるわけがなかったし、はっきり言って、夫にその裁量があるとは思えなかった。
私はもうがんばれなかった。
子供もいるのに、夢みたいなうまい話に騙される夫、現実も、自分のことも、ちゃんと見られない夫に、やさしくすることに疲れていた。
私のがんばりはいつも、夫の機嫌一つで簡単に踏みにじられていたから。
そして夫も、さらに私にやさしくなくなってきたと感じていた。
このままではいけない、また昔みたいに仲良しに戻りたいと思って、頑張ってみた日もあったけれど、本当に、うまくいかない年だった。
だから、結婚記念日の日は飲みに行くからと言われたとき、本当に本当に、悲しくて仕方がなかった。
私には、夫に愛されていると思えることだけが、つらいことがたくさんある夫との生活の支えだった。
愛してくれているのに、私がやさしくできないからだめなのか。
病気なのに、私がやさしくできないからだめなのか。
そんな風に思っていた。
だから、20年目という節目の記念日に、よりによって一人にされることがつらすぎて、夫の前で泣いた。
結局飲みに行って、翌日帰ってきた夫は、私の涙で、浮気がばれていると勘違いしたんだ。
大事な話があると浮気を告白されたとき、
自分でも驚くほど、傷ついた。
どんなに頑張ったってうまくいくわけがなかった。
夫は、4月から、インスタで知り合った女と浮気していたんだから。
そして夫は、私と離婚したいと、別れてほしいと、言った。